ブーランジュリーグウさん

安堂寺町1丁目。地下鉄谷町六丁目駅6番7番出口を出てスグの、長堀通り沿いにあるオシャレなパン屋さん。言わずと知れた超人気店です。
今回はオーナーシェフの東野さんにお話を聞くことができました。
(長いのでご注意ください。最後まで読んでいただけたら、すごくうれしいです。)

焼きたての一番おいしいところを。

グウさんの魅力は、とにかくパンの種類が豊富なこと。店内を見回すと、バゲットやカンパーニュといったフランスパンから、サンドイッチやキッシュや惣菜パン、色とりどりのフルーツを使った宝石みたいなデニッシュ、いろんな種類の食パン、あんぱんやクリームパンなどの菓子パンまで、本当にありとあらゆるパンがところ狭しと並んでいます。もう目移りして、ついつい買いすぎてしまいますよね。

朝、ランチタイム、おやつ時、夕方と、時間帯によって少しずつ顔ぶれが変わるようですが、1日になんと150種類ものパンが並ぶのだそうです。パン屋さんにはめずらしく夜9時まで開いてるのもうれしいですよね。しかも、遅い時間に行っても焼きたてのパンがちゃんと買えるんだからびっくりです。

東野シェフに「いつ行っても職人さんたちがパンを焼いていますよね?」と聞いてみると、

「材料や製法にこだわって、たくさんの種類のパンをご提供するのはもちろんなんですけど、何よりも“焼きたてのパンを並べる”ということが、僕たちの一番大事な仕事。それができなければ、こういうパン屋をやる意味がないと思っているんです。」

と、きっぱり。繁盛しているから1日中パンを焼いているのではなくて、1日中パンを焼いているから繁盛しているんですねー。

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国産の小麦にこだわる理由。

「最初にどんなパンを作りたいかをイメージして、イメージ通りの味や風味、食感を実現するために、どんな小麦をどうブレンドして使うのかを考えます。」

というのは、東野シェフの小麦に対するこだわり。つまり、パンの種類ごとに使う小麦の種類や配合が全部違う!ということなんです。

一口に小麦といっても、品種や気候風土その他によって、味や特性はさまざまに違うのだとか。ワインでいうところの“テロワール”というやつですね。
でも、パン屋さんに供給される小麦粉のほとんどは、政府がアメリカやカナダ、オーストラリアなどの国から一括して輸入し、大手製粉会社によってブレンドされ製粉されたもの。どの国のどんな品種の小麦がどんな割合でブレンドされているのか、まったくわからないという小麦粉なのです。

その一方で、最近パンの素材として注目を集めているのが国産小麦。グウさんでも国産、特に北海道産の小麦を積極的に使われています。
それは、国産小麦なら単一品種(ブレンドしない)の小麦を入手することができるし、生産者や生産地、製粉会社も選ぶことができるから。グウさんのように「作りたいパンのイメージからさかのぼって粉を選ぶ」というパンづくりにぴったりだから、なんですね。

「日本人のお客さまは、しっとり、もっちりした食感や甘味や旨味のあるパンを好まれる方が多いんです。そして、日本で育った小麦を使うと、そういうパンが作りやすいんですね。結局、農作物も食文化も、土地や気候風土に育まれるものなんだなと思います。」

というのが、東野シェフが国産小麦にこだわるもう一つの理由です。
グウさんを訪れたら、「ゆめちから100%」とか「キタノカオリ100%」などと表示されているパンを見つけて、ぜひ試してみてください。それらのパンは、小麦のテロワールの違いを楽しんでもらうために、あえて単一品種の小麦でつくられたもの。東野さんの小麦へのこだわりが、文字通りストレートに感じられるパンなんです。
もちろん、なんでもかんでも国産小麦!というわけではなく、たとえばフランスパンなどには、おもにフランス産の小麦が使用されていますよ。

コーヒーもテロワールにこだわって。

谷町四丁目にもブーランジュリーグウがあるのをご存知ですか?こちらのグウはベーカリーカフェスタイルのお店。焼きたてのパンをその場で楽しむことができるし、「モーニングセット」など、ベーカリーカフェならではのメニューもあります。

でも東野シェフがこのお店にカフェを併設した一番の理由は、スペシャルティコーヒーのおいしさを提案したかったから、なんですって!

「考え方は国産小麦と同じ。コーヒー豆も、品種によって違うのはもちろん、産地の気候や標高、地形や土壌質によって、それぞれ特有のテロワールがあるし、どんな農園でどのように栽培・精製されたかによっても、味や香りなどのポテンシャルが大きく変わるんです。その中から、特にていねいに育てられた豊かなキャラクターの豆を厳選し、それぞれにふさわしい方法で焙煎・抽出したスペシャルティコーヒーを提供しています。」

と語る東野シェフ。並々ならぬこだわりを感じます。
全自動じゃなくバリスタの感性がモノを言う、マニュアル仕様のエスプレッソマシンで抽出したエスプレッソやラテ、パンに合うよう試行錯誤を重ねたグウオリジナルブレンドはもちろんおススメですが、ぜひぜひ試してほしいのが、シングルオリジンのスペシャルティコーヒー。
シングルオリジンとは、生産者がわが子のように情熱を注ぎ、大地や風土が育む魅力までが加わった個性際立つ単一種のコーヒーのこと。あえてコーヒーのオイルやザラザラ感まで抽出するフレンチプレスという方法で、特別なコーヒーのおいしさを余すところなく味わうことができます。

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自家農園で野菜づくりも。

実はグウさん、大阪市内に自家農園を持って、農薬や化学肥料など、よけいなものを一切使わない野菜づくりも手がけているのだそうです。

「僕らがご提供するのは“食のシーン”。パンだけ、コーヒーだけじゃなく、野菜のこともちゃんと理解したうえでお客さまにご提供しないとあかんと思うんです。そのために、自分の手で土に触って、世話をして収穫するという体験を通じて、野菜への理解をもっともっと深めたい。手間ひまのかかることですけど、自分たちが取り組む意味が十分あると思うんです。」

と、自家農園への思いを語る東野シェフですが、「いずれコーヒーの自家焙煎もやりたい」「小麦の自家製粉も・・・」と、やりたいことはあふれ出すようにあるようです。

ああ、こんなに志の高いシェフがいる素敵なパン屋さんが、自分たちの町にあるなんて!ほんとにシアワセ。グウさん、これからもよろしくお願いします!

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本店(谷町六丁目店)
大阪府大阪市中央区安堂寺町1-3-5 キャピトル安堂寺 1F
tel 06-6762-3040
open 8:00 ~ close 21:00/ 定休日 木曜日
地下鉄谷町線・長堀鶴見緑地線「谷町六丁目」駅
7番出口正面、6 番出口徒歩1分

http://derien.co.jp/


2015-04-22 | Posted in ここらへんのお店・会社No Comments » 
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