N総合会計 中島 幸子さん


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安堂寺町には意外にたくさんの会社があります。
昔に比べたらかなり少なくなっているそうですが、それでもこの小さな町に200もの事業所があるというからおどろきです。
そして、この町のおもしろいところは、地域の交流やつながりが少なくなりつつあるこのご時世に、住民同士はもちろん会社同士にも「ご近所づきあい」があるというところ。
「安堂寺界隈の企業交流会」なるものがスタートしてまだ1年足らずですが、「コミュニティカフェ」が毎月のように催されて。
大・中・小いろんな会社やお店の人たちが集まっては、出会ったり、つながったりして結びつきを深めています。
その企業交流会を仕掛けた人が、今回ご紹介する中島幸子さん。
“日本一中小企業の発展を願う”という「N総合会計」の熱血所長さんです。

OLから税理士に大転身!

●OLさんだったそうですね。

ええ。大手化学メーカーに勤めてたんですが、結婚して2人目の子どもができたころに「このままではあかん」と思いはじめたんです。「人に影響を与えられる女性になりたい」と思ってがんばってきたけれど、当時はまだ男女の格差がはっきりあって、いくらがんばっても女性はやりがいのある仕事はなかなか与えてもらえなかったんです。それで一念発起して、税理士をめざすことに。最初は仕事も子育てもしながら専門学校に通ったんですが、その時すでに34歳になっていたので、グズグズしていられませんでした。それで3年計画を立て、会社を辞めて試験勉強に専念したんです。

●スゴい行動力!でも、税理士は超難関と聞きます。

受からないと思っていた人もいたでしょうね。でも、計画通り3年で合格したんです。子どもを保育所に預けて専門学校へ行って、自習室にこもってひたすら勉強しました。みんなから「自習室の帝王」と呼ばれてね(笑)。

●そして税理士になられて、今、事務所が安堂寺町にあるということですね。

そうです。税理士の資格をとって30年なんですが、独立して自分の事務所を構えたのがここ、安堂寺町なんです。それから23年、ずっとこの町で仕事をさせてもらってます。

中小企業の発展に貢献したい!

●なぜ企業交流会を立ち上げようと思われたんですか。

int4きっかけになったのは、中小企業家同友会ですね。

●同友会?

簡単に言うと、中小企業家同士が学びあってよい会社を作っていこうというもので、大阪だけでも2700人もの会員がいる団体です。わたしも事務所を設立した時に入会して、大切なことをたくさん学んできました。
「中小企業こそが社会の主役。中小企業が元気になったら地域も元気になるし、日本経済も元気になる」という考え方が同友会にはあって、わたしはそれにものすごく共鳴したんです。
そして、学んだことを事務所の経営に生かすと同時に、同友会の活動にも積極的に取り組んできました。そんな中で「中小企業憲章」の制定という大きな取組にたずさわることもできたんです。

●中小企業憲章というのは?

「中小企業は、経済を牽引する力であり、社会の主役である」ということがうたわれている文書で、中小企業の声に耳をかたむけて、存分に力を発揮できるしくみづくりに取り組んでいくという、政府の方針や考え方を明らかにしたもの。同友会がその制定をめざす運動に取り組んできたんです。

●すごく画期的なことですね。

そうです。そのことは私の誇りでもあるんですが、「地域に貢献」と語りながら、一方では自分自身が自分の地域に対して何もできていないという思いも強くなっていったんです。
ところが、「何か地域のお役に立てることをしたい」と思っても、何から始めたらいいのかわからない。それで、生国魂神社のお祭りに寄付をしたり、大学の先生に相談に行ったりと、いろんなことをやりました。
そのうちに、所員と一緒に安堂寺まつりのお手伝いをするようになって、おまつりに参加されている町の企業の方たちとお知り合いになったんです。そして、町内会にも入れていただきました。

●それが企業交流会の発端ですね。

安堂寺町はかつては職住一体の町で、機械工具や印刷業をはじめとする中小企業がたくさんあったそうです。でも、移転や廃業によって企業の数は減る一方。その跡地にマンションが建って、住宅街化が進んでいます。人口は増えているけど、お店や会社のシャッターが下りていくのを見るのはさびしいものです。やっぱりこの町が元気になるためには、企業…特に中小企業が元気にならないとあかんと思ったんです。そう思っても、企業同士の横のつながりがないと何もできないので、まずは交流の機会をつくることからはじめようと考えたのが「安堂寺界隈の企業交流会」です。

●会社同士のご近所づきあいですね。

震災があって、特に地方ではつながりや絆を大切にした地域づくりが進みましたが、都会ではますます稀薄になっているように思います。私自身、隣近所にどんな会社があるのかも知らなかったですし。でも、それではだめですよね。意識的につながりをつくっていかないと。そして、町の企業やお店がお互いに協力し合い助け合うことで、元気に生きていける、発展していける、そういう土壌をつくりたいんです。

●先日行われた交流会では、あっと驚く構想を語っておられました。

ええ。安堂寺町をまるごと会場にした博覧会を開催したいと思っています。企業やお店や住人が一緒になって、安堂寺町の魅力を発信できるようなイベントにしたいです。

●中島さんの情熱には、いつも感動させられます。

安堂寺は、歴史があって文化があって、大阪らしい魅力のある町。知れば知るほどこの町が好きになって、強い使命感を感じています。
最初の一歩を踏み出すまでが本当に苦しかったし、続けていくしんどさもありますが、
回を追うごとに参加者が増えて、新たな出会いやつながりが生まれつつあるなど、うれしいこともたくさんあります。「地域のため」と思ってがんばることが、結局は自社や自分自身に大きな喜びを与えてくれるのだと思っています。

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[わたしのおすすめスポット]
榎木大明神
近くを通る時は必ず100円入れてお参りします。商売繁盛にもご利益があるそうですね。いつ行ってもきれいに掃除されてあって、清々しいです。
急な坂も風情がありますね。そばに直木三十五の碑もあって、このあたりに安堂寺町らしさが凝縮されてる感じがします。

※ちょっと一言
平成2年から毎月発行されている「ちょっと一言」。税理士として日々活躍する中島さんが、身の回りのちょっとしたできごとのなかで感じたこと、考えさせられたことなどを、かざらず簡潔に綴ったエッセイです。鋭くもやさしいまなざし、温かい人柄があふれる言葉の数々がじんわりと心にしみわたります。

N総合会計さんの経営理念。
「中小企業経営の発展に貢献する。」という力強い文字は、中島さんが書かれたそうです。

N総合会計
大阪市中央区安堂寺町2-1-10 第17松屋ビル3F
TEL 06-6763-3995
FAX 06-6763-5199


2015-03-13 | Posted in わたしの安堂寺町No Comments » 
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